靴の歴史が長い欧米諸国では、トラブルをもった足や足と靴との関係について、これまで多くの研究が続けられてきました。 それに対して、靴の歴史が短い日本では、足や靴に関する正しい知識を身につけた「足と靴の専門家」がまだまだ不足しているとのいうのが現状です。
足と靴の専門家 「整形外科靴マイスター」
欧米諸国の中でも、足と靴のトラブルケアの先進国であるドイツでは、「整形外科靴マイスター」という国家資格があります。
「整形外科靴マイスター」は、一般の靴づくりの専門職人に与えられる「靴マイスター」の知識と技術に加え、整形外科的知識が必要とされるハイレベルな資格です。
第一次世界大戦で足に障害を持った人のケアからスタートしたこのジャンルは、1937年に正式な国家資格として認定され、技術の高度化に伴い1970年には独立した職業となりました。
整形外科靴マイスターへの道は、まずは見習いとして経験を積みながら専門学校で学ぶことから始まります。
この3年半の修行期間を経て試験に合格すると、「整形外科靴技術者」の資格が与えられ、さらに4年間職人として働きながら専門学校で学び、修了後に全日制の専門学校へ入学。
人体生理学や解剖学などについての知識を習得します。
そして、卒業後の国家試験に合格すれば晴れて「整形外科靴マイスター」の資格が与えられ、自分の工房を持つことが許されます。
このように「整形外科靴マイスター」は、靴職人としての高度な技術と、医療的な知識を兼ね備えた足と靴のスペシャリストなのです。
「整形外科靴マイスター」のなかのスペシャリスト ディトマール・ヴァルター氏
当社が導入するペドキャド社の「スキャン ペッド」を開発した同社社長、ディトマール・ヴァルター氏 もこの「整形外科靴マイスター」です。
靴職人の家に生まれたバルター氏は、 1982年に この資格を取得。
以来、「整形外科靴マイスター」として多くの人々の足のトラブルを解決してきました。
そんななか、ヴァルター氏は仕上がりに大変時間を要する手作業でのインソール制作を効率化することで、一人でも多くの人に早く提供できないかと 思案を重ね、30年以上培ってきたこの職人としての技術と経験と学びによる知識にIT技術を融合させた「スキャンペッド」を完成させたのです。
「整形外科靴マイスター」のスキルを受け継ぐフットクリエイト
「スキャンペッド」の日本代理店として、同製品によるオーダーメイドインソール制作普及に努める当社の櫻井一男は、名古屋で開校されていた「フット&シューアカデミー」において、ドイツ整形外科靴マイスターより直接指導を受け、さらに1998年にドイツペドキャド 社を訪れた際、ディトマール・ヴァルター氏と出会いました。
その後、ヴァルター氏より、さらなる「足と靴」に関する技術や知識向上のための指導を受け、現在に至っています。私たちフットクリエイトは、本場ドイツのスペシャリストによる技術・知識を受け継ぐ「足と靴の専門家」として、日本における「トータルフットケア」の普及・発展を目指し活動しています。